前立腺肥大症の治療はどう変わった?―MISTという新しい治療について|かとう腎・泌尿器科クリニック|神奈川県平塚市の泌尿器科

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前立腺肥大症の治療はどう変わった?―MISTという新しい治療について

前立腺肥大症は、中高年男性に多くみられる泌尿器科疾患です。

「尿の勢いが弱くなった」「夜中に何度もトイレに起きる」「尿が残っている感じがする」といった症状から受診される方も少なくありません。

前立腺肥大症の治療というと、まず薬を思い浮かべる方が多いと思います。実際、症状や前立腺の状態に応じて薬物療法を行うことは現在も治療の基本の一つです。

一方、薬だけでは十分な改善が得られない場合には、手術を検討することがあります。

近年、この前立腺肥大症の治療に新たな選択肢が加わりました。

それがMIST(Minimally Invasive Surgical Therapy:低侵襲外科治療)です。

MISTとはどのような治療でしょうか?

MISTは、身体への負担をできるだけ抑えながら、前立腺肥大症による排尿障害を改善することを目的とした治療です。

代表的なものに、PUL(UroLift:ウロリフト)とWAVE(Rezum:レジューム)があります。

PULは、小さなインプラントを用いて肥大した前立腺組織を圧排し、尿道を広げる治療です。

WAVEは、水蒸気の熱エネルギーを前立腺組織に作用させ、時間をかけて組織を縮小させる治療です。

どちらも、HoLEPなどのように肥大した前立腺組織を核出する治療とは考え方が異なります。

MISTなら誰にでも適しているわけではありません

低侵襲という言葉だけを見ると、「身体への負担が少ないならMISTを選びたい」と思われるかもしれません。

しかし、前立腺肥大症の治療で最も重要なのは、治療方法を先に決めることではありません。

前立腺の大きさや形、尿の勢い、残尿量、症状の程度、年齢、全身状態などを評価し、その患者さんにどの治療が適しているかを考えることが大切です。

前立腺肥大症の治療には、薬物療法、MIST、HoLEPやCVPなど複数の選択肢があります。

選択肢が増えたからこそ、一人ひとりの状態に合わせて治療を選ぶことが、これまで以上に重要になっています。

当院では前立腺だけを見るのではなく、排尿を担う膀胱の状態も考えながら、患者さんに適した治療方針を検討しています。

文責 日本泌尿器科学会専門医 藤田医科大学腎泌尿器外科客員教授 加藤忍