前立腺がん|かとう腎・泌尿器科クリニック|神奈川県平塚市の泌尿器科

神奈川県平塚市南原2丁目1番2号駐車場32台あり「向原」バス停より徒歩2分

前立腺がん PROSTATE CANCER

前立腺がんについて

前立腺(ぜんりつせん)とは膀胱に隣接して、尿道を取り巻くような構造をしている男性のみに存在する臓器です。正常な前立腺はクルミの実ほどの大きさで重さにすると20グラムほどです。前立腺がんとはこの前立腺に癌ができる病気です。日本においては、前立腺がんはもともとあまり多くに見られるがんではありませんでした。しかし、近年はもっとも増加しているがんの一つとして注目されており、2020年から2024には前立腺がんは男性がんのうち最もと多い罹患数になると言われています。

Trouble

こんな場合はご相談ください

  • 健康診断でPSAが高いと言われた方
  • 親族に前立腺がんを患った方がいて、自身の年齢も上がり前立腺がん検診を受けたいと思っている方

原因

前立腺がんの原因として遺伝や加齢などが挙げられており。同じ家計内に前立腺がんを発症した人がいる方や、60歳以上の方に発症しやすいと言われている一方、明確な発症メカニズムは解明されていないのが現状です。肥満、喫煙、動物性脂肪やカルシウムの過剰摂取などの生活習慣の乱れも発症に関与している可能性があるともされています。また前立腺はアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンによって成長するため、このアンドロゲンも前立腺がんの発症に何らかの関係があるとも言われています。

症状

前立腺がんは進行が遅く、早期段階で治療すれば治る見込みが高いのが特徴です。しかし症状が現れにくいため、周囲のリンパ節、骨、肺、肝臓などに転移した状態で発見されることも少なくありません。がんの進行に伴ってがんの組織が大きくなると前立腺が尿道を圧迫するようになるため、尿が出しにくい、尿の回数が増える、排尿後も尿が残った感じがするなどの前立腺肥大症と似たような症状が現れます。進行した前立腺がんは骨や肺、肝臓などに転移を起こしやすいのも特徴の1つです。特に椎骨(背骨)や骨盤に転移しやすく慢性的な腰痛が生じ、わずかな刺激でも骨折する可能性もあります。

検査と診断

血液検査(PSA検査)

血液中にはPSA(前立腺特異抗原)の濃度を測定することが有用とわかっています。その為、血液検査でPSAの値を測定し、PSAの値が高いほど前立腺がんを発症している可能性が高くなることもわかっているため、血液検査でPSAの値を測定します。

画像検査

前立腺の状態を調べるために肛門に超音波の機器を挿入して直腸から前立腺を描出する「経直腸的前立腺超音波検査」や「MRI検査」を行います。また前立腺以外の臓器に転移しているかどうかを確認するために「CT検査」や骨への転移を調べるために「骨シンチ検査」を行います。当院は基幹病院と連携して画像検査を行っています。

前立腺生検

前立腺がんの確定診断には必須となる検査です。前立腺がんの組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査で、前立腺細胞のがんの悪性度を確かめる検査です。当院は前立腺針生検を経会陰的直腸エコーを実施しながら日帰りで行っています。

治療方法

手術療法

転移のない局所にとどまっているがんの場合に行う前立腺がんの基本治療であり、前立腺やその周辺の尿道を摘出する手術です。膀胱や直腸など周囲にがんが及んでいるケースでは一般的に手術は行いません。

放射線治療

放射線を照射してがんを縮小させる治療法です。当院では手術療法、放射線療法は基幹病院、大学病院と連携して行っております。

薬物療法

前立腺がんはアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの分泌やはたらきを抑えることでさらなる進行を抑制できることがわかっています。その為、手術が難しい場合や放射線治療を行う前後の補助的な治療としても用いられる治療法でアンドロゲンを抑える抗アンドロゲン剤やLH‐RHアナログと呼ばれるホルモン剤を使用しています。当院では主に主に以下のような薬剤を使用します。薬物療法※()内は先発品名を記載
・LH‐RH製剤(注射剤で男性ホルモンを抑える治療法)
・酢酸リュープロレリン(リュープリン注射用)
・デガレリクス酢酸塩 (ゴナックス皮下注用)
・新規抗アンドロゲン剤
・アパルタミド(アーリーダ錠)
・アビラテロン酢酸エステル(ザイティガ錠)
・エンザルタミド(イクスタンジ錠)
・抗アンドロゲン剤
・ビカルタミド(カソデックス錠)
・フルタミド(オダイン錠)

ゴセレリン酢酸塩キット(ゾラデックス皮下注射)

ゴセレリン酢酸塩キットは、前立腺がんの治療に使用されるLH-RHアゴニスト(黄体形成ホルモン放出ホルモン作動薬)の一種です。この薬剤は、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を抑えることで、前立腺がんの進行を抑制する効果があります。