レーザー治療について

前立腺肥大の外科的治療として
近年注目されています
前立腺肥大症は中高年の男性に多く見られる疾患であり、排尿困難や頻尿などの症状を引き起こします。内服治療で効果がない場合が外科的治療の適応になります。外科的治療法として、レーザーを用いた手術が近年注目されています。代表的なものとして、経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核手術(HoLEP)と接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)の2つが挙げられます。
HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核手術)は、ホルミウムレーザーを用いて前立腺組織をくり抜く手術です。HoLEPは、大きな前立腺に対しても効果的であり手術早期から症状が改善し、長期的な結果が期待できるため、当院の院長は2002年に東京で初めて手術を導入しました。CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)はダイオードレーザーを使用し、レーザーが比較的深く組織に入るため出血が少なく、短時間で手術が終了するため、高齢者や合併症のある患者さんにむいた治療です。当院が2013年に日本で初めて導入しました。これらの手術は、症状や前立腺の大きさ、全身状態などを考慮して選択されます。いずれの方法も、従来のTURPという電気メスで前立腺を切除する手術法に比べて出血が少なく、回復が早いという利点があります。当院では経験豊富な医師が患者さんに適した手術をご提供いたします。
当院のレーザー治療
前立腺肥大症経尿道的
ホルミウムレーザー前立腺核手術
(HoLEP)
HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核手術)は、ホルミウムレーザーを使用して前立腺の肥大部分をくり抜く手術です。この手術は、尿道から内視鏡を挿入し、前立腺組織をレーザーでくり抜きます。次にくり抜いた前立腺組織は膀胱内に送り込まれ、組織を細かく切除する器械を使用し回収されます。これにより、前立腺にがんがあるかどうかも診断でき、尿道の通過障害が解消され、排尿がスムーズになります。HoLEPは、特に大きな前立腺に対して有効であり、術後早期から排尿が改善し、長期的な症状の改善が期待できる治療法です。HoLEPは、特に重度の前立腺肥大症に悩む患者さんにとって、非常に有効な治療法と言えます。症状の改善と生活の質の向上が期待できるため、外科手術の代表的な手術ですが、高度の技術が必要なため日帰りで行える医療機関は非常に限られています。
メリット
HoLEPの最大のメリットは、出血が少なく、安全性が高い点です。レーザーを使用することで、血管を同時に凝固させながら切除するため、出血量が従来の手術法に比べて著しく少なくなります。これにより、手術中および術後の合併症リスクが低減されます。また、HoLEPは大きな前立腺に対しても有効であり、切除量が多いにもかかわらず、術後の回復が早いことが特徴です。さらに、HoLEPは再発率が低いことも利点の一つです。切除された前立腺組織が膀胱内で回収されるため、再度肥大するリスクが少なく、長期的に安定した効果が期待できます。
肥大した前立腺の内腺と外腺の境目にホルミウム・ヤグレーザーを照射し、内腺のみをくりぬくように核出します。
核出した内腺を、膀胱内に移動させます。
前立腺組織をすべて膀胱内に移動させた後、モーセレーターという機器を用いて、前立腺組織を細かく切断しながら、吸引し、体内に排出します。
HoLEPの手術指導実績
聖路加国際病院(東京都)
横浜労災病院(神奈川県)
秦野赤十字病院(神奈川県)
豊川市民病院(愛知県)
新村病院(鹿児島県)
星総合病院(福島県)
富士病院(静岡県)
京都大学附属病院
慈恵医大柏病院
琉球大学病院
倉敷成人病センター
東海大学附属病院
仙台市立病院
かねとう腎泌尿器科クリニック
亀田総合病院
三愛会総合病院
伊勢原協同病院
伊勢崎市民病院
刈谷総合病院
上尾中央総合病院
岐阜大学付属病院
他にも多くの先生がたが
院長の手術の見学にきています
接触式レーザー前立腺切除術(CVP)
内視鏡の先端からファイバー先端を組織に接触させてレーザーを照射し、肥大した前立腺組織を蒸散する手術です。980nmの波長を持つレーザーは、その特性から前立腺組織の赤血球中に含まれるヘモグロビンと水を吸収されるため、より効率的に前立腺組織を蒸散することが可能です。肥大した前立腺組織に光ファイバーを直接接触させレーザーを照射すると、組織が高熱となり、血液や水分が一瞬で沸騰・蒸発し組織が消失します。切除と止血を同時に行っていくため、出血リスクが高い、抗血小板薬や抗凝固薬を複数内服しているかたに対しても行うことができます。細い管の内視鏡を使用するため、術後の尿道狭窄リスクを抑えられるといったメリットもあります。他の内視鏡手術と比較しても早期に通常の生活に戻ることができます。
メリット
術中の出血が少ないことから、当院では高齢者や抗血小板剤・抗凝固剤を服用している合併症がある高齢の患者さんに行っています。内視鏡による手術の中でも比較的身体への負担が少ない手術方法です。
CVPにはいくつかのリスクや副作用があります。具体的には、下記のような内容が挙げられます。一時的な排尿障害、前立腺肥大の再発の可能性など、これらのリスクは一般的には軽微で適切な術後ケアにより抑えることができます。
・肉眼的血尿…2週間から1ヵ月ほどで自然に止まります。
・尿路感染症…術後熱が上がり、抗生剤の点滴を行う場合があります。
・尿閉…術後尿の出が悪くなり、一時的に尿道カテーテルの挿入や導尿が必要な場合があります。
・尿道狭窄…4%ほどの確率で起こす場合があります。
・逆行性射精…勃起機能に関しては問題ないとされていますが逆行性射精は必ず起きる合併症です。
・前立腺肥大症の再発…再度手術が必要な場合があります。
ご心配のあるかたは、ご納得いただけるまでご質問ください。
手術海外研修の実績
執刀ドクター | Dr.Mohan Kesha vamurthy |
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施設名 | CVP:Fortis Hospital(インド/バンガロール) |
執刀ドクター | Dr.Ali Erol, Dr.Serhat Domezer |
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施設名 | CVP:Medical Park Goztepe Hospital(トルコ/イスタンブール) |
執刀ドクター | Prof.Peter Gilling |
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施設名 | Aquablation :Newzealand Tauranga Hospital(ニュージーランド) |
執刀ドクター | DR.Wilkinson(来日) |
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施設名 | Urolift:かとう腎・泌尿器科クリニック |
執刀ドクター | Dr.PE |
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施設名 | Urolift:San Diego 米国Mercy Medical(アメリカ) |
執刀ドクター | Dr.LEE |
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施設名 | Rezum:STRAUB MEDICAL CENTER Hawai米国(アメリカ) |
施設名 | Rezum:hamad medical corporation(カタール) |
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CVPの手術指導実績
他にも多くの先生がたが
院長の指導を受けています
慶応義塾大学病院 | 湘南東部総合病院 |
相模原日赤病院 | 倉敷成人病センター |
筑波大学付属病院 | 関西医科大学病院 |
東京腎泌尿器科 センター病院 |
米沢市立病院 |
静岡県立総合病院 | すずかけセントラル病院 |
Jcho仙台病院 | 大分泌尿器科病院 |
鶴泌尿器科クリニック | 練馬総合病院 |
岩手県二戸クリニック | 独協医科大学病院 |
南大和病院 | 富山西総合病院 |
HoLEPとCVPの当院の手術成績
レーザー治療の流れ
- 1 予約と初診
- まずは、手術を希望される患者さんは外来のご予約からお願いいたします。紹介状をお持ちのかたは必ず初診時にご持参ください。ただし、紹介状は必須ではありません。問診と診察を経て、症状や病歴の確認、必要な検査(PSA採血、尿検査、尿流測定、超音波検査など)を実施し、膀胱尿道ファイバーで前立腺のサイズや形態を確認後、手術が適切かどうかや適した手術方法を判断していきます。
- 2 手術前の説明と同意
- 手術が確定した場合、手術日を決定し、医師から手術の詳細な説明(インフォームドコンセント)をいたします。後日麻酔科医師の診察と同日に泌尿器科医より手術の方法、危険性、合併症等について説明を受けた後、患者さんが納得した場合、手術の同意書に署名していただきます。手術の流れ、術前の注意事項(例えば、手術前の飲食制限など)については看護師より説明があります。
- 3 手術当日
- 手術当日は、指定された時間にクリニックにお越しください。受付を行い、回復室に案内いたします。手術衣に着替え、必要な準備を行い、手術に臨んでいただきます。
- 4 手術の実施
- 手術を行います。手術は前立腺の大きさで時間が変わります。尿道カテーテルを挿入し手術が終了します。
- 5 術後の回復
- 手術が終了したら患者さんは回復室に移動し、一定時間麻酔が完全に切れるまで安静にし、血圧の測定や酸素飽和度、血尿の程度を看護師がチェックします。患者さんの体調が安定しているか確認した上で、帰宅となります。
- 6 手術当日のケア
- 帰宅後はホテル・自宅での安静を推奨いたします。なお当院には入院設備はありませんが、遠方の患者さんには提携ホテルのご紹介も行っていますので、お気軽にご相談ください。また、夕方から夜間にクリニックの医師から連絡を差し上げますので、術後の状態をお話しください。
- 7 再診とフォローアップ
- 手術翌日クリニックに来院していただき、血尿の程度をみるため診察や採血を行います。レーザー手術は原則として術後2日目に尿道カテーテルを抜去します。週末の場合は月曜日に抜去します。血尿は2週間から1ヵ月続きますが自然に消失します。約1週間程度でクリニックに来院していただき、術後の状態を確認します。以降、定期的なフォローアップが行われ、再発や合併症がないかをチェックします。
手術前後の数値結果例
よくあるご質問
HoLEP(ホルミウムレーザー核出術)とはどんな手術ですか?
A
HoLEPは、ホルミウムレーザーを使用して前立腺の肥大した組織を核出する手術です。大きな前立腺に対しても効果的で、症状は早期に改善し、長期的な結果が期待できます。
HoLEPのメリットは何ですか?
A
HoLEPの主なメリットは次のような内容が挙げられます。出血が少ない、回復が早い、再発率が低い、大きな前立腺にも対応可能、など代表的なレーザー手術です。
HoLEPはどのような患者に適していますか?
A
HoLEPは、特に大きなの前立腺肥大(BPH)を有する患者さんに適しています。出血リスクが少なく、再発率が低いため、長期的な治療効果を期待するかたに理想的です。
前立腺肥大症経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核手術(HoLEP)の合併症・注意点は何ですか?
A
一般的には大きな合併症がありませんが下記のようなものがあります。
- 肉眼的血尿…2週間から1ヵ月ほどで自然に止まります。
- 尿路感染症…術後熱があがり、抗生剤の点滴を行う場合があります。
- 尿閉…術後尿の出が悪くなり、一時的に尿道カテーテルの挿入や導尿が必要な場合があります。
- 膀胱穿孔…切除した前立腺を細切するので可能性がありますが今まで経験はありません。
- 尿道狭窄…4%ほどの確率で起こす場合があります。尿道狭窄の再手術は当院では0.3%程でまれです。
- 逆行性射精…勃起機能に関しては問題ないとされていますが逆行性射精は必ず起きる合併症です。
- 前立腺肥大症の再発…尿の出が悪くなり、1%の確率で再度手術が必要な場合があります。
ご心配のあるかたは、ご納得いただけるまでご質問ください。
CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)とは何ですか?
A
CVPは、レーザーを使用して前立腺の肥大した組織を蒸発させる手術です。この手術は通常出血が少なく、回復も早いため、合併症のあるかたの日帰り手術として適しています。
CVPのメリットは何ですか?
A
手術時間が短く、出血が少なく、細い管の内視鏡が使用できるため尿道狭窄が発症しにくいメリットがあります。
CVPはどのような患者に適していますか?
A
CVPは、軽度から中等度の前立腺肥大(BPH)を有する血液をサラサラにする薬をのんでいるかたに適しています。特に、出血リスクが高く、高齢の患者さんで早期の回復を希望するかたにとって良い理想的な選択肢です
費用
料金表
1割負担 | 3割負担 | |
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HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核手術) | 18,000円 | 90,000円 |
接触式レーザー前立腺切除術(CVP) | 18,000円 | 90,000円 |
※表示金額は全て税込みです。
お支払い方法
お支払い方法は、
下記に対応しております。
高額療養費制度について
高額療養費制度は、医療費が高額になった場合に、その一部を健康保険がカバーすることで、患者さんの負担を軽減する制度です。具体的には、自己負担限度額を超えた分の医療費が返還される仕組みとなっており、重篤な病気や手術を受ける際の経済的な支援を受けることができます。ただし、限度額認定証を提出する必要があります。所得に応じて、1ヵ月間の支払金額が調整されます。
高額療養費制度を受ける流れ
医療機関での支払い:まずは通常通り、医療機関で医療費を支払います。
申請書類の提出:自己負担限度額を超えた医療費について、必要な申請書類を健康保険組合に提出します。健康保険高額療養費支給申請書という書類を提出します。
払い戻し:申請が認められれば、超過分の医療費が払い戻されます。